この記事で分かること
- デザインやバナーの確認で、課題への直接添付だけでは管理しにくくなる場面
- 課題管理ツールとDropboxなどのファイル共有サービスを使い分ける方法
- 修正を重ねても、確認する側と制作側の手間を増やしにくい運用
Web制作では、バナー、デザインカンプ、画像素材など、複数のファイルをクライアントへ確認してもらう場面があります。少ないファイルを一度だけ共有するなら、Tasselの課題へ直接添付するだけで十分です。
一方で、複数のバナーを何度か修正する案件では、添付ファイルが増えるほど、どれが最新版なのか、どの稿を確認すればよいのかが分かりにくくなります。
問題になるのは、直接添付すること自体ではありません。制作物の点数や修正回数が増えたあとも、同じ方法でファイルを追加し続けることです。
そのような場合は、課題管理ツールにすべての制作ファイルを抱え込ませるのではなく、課題管理とファイル共有の役割を分けると、確認の流れを軽くできます。
この記事では、Tasselで確認依頼や決定事項を管理し、Dropboxなどの共有ストレージで制作ファイルを扱う方法を紹介します。
課題へ直接添付するだけでは管理しにくくなる場面
たとえば、5点のバナーを制作する案件を考えます。初稿を確認してもらい、フィードバックを受けて修正し、2校・3校と確認を重ねる場合です。
課題のコメントへファイルを直接添付する方法は、最初の共有なら簡単です。しかし修正版を出すたびに添付を追加すると、次のような状態になりやすくなります。
- 似た画像やZIPファイルがコメント内に何度も並ぶ
- 確認する側が、どれが最新のデータか探す必要がある
- 古い稿を削除すると、その履歴もコメント内に残る
- ファイル数や容量が増え、添付の管理を意識する必要がある
- クライアント側で上長や関係者へ共有するとき、確認先を説明し直すことがある
少量のスクリーンショットや、記録として残したい1〜2件のファイルであれば、Tasselの添付機能は便利です。課題の内容とファイルを同じ場所で確認できるため、小さなやり取りでは直接添付する方が分かりやすい場合もあります。
ただ、制作物が5点、10点と増え、修正も2校、3校と続くと、課題のスレッドが少しずつ「ファイル置き場」に近づいていきます。
制作側ではどれが最新版か分かっていても、確認する側が同じ経緯を覚えているとは限りません。ファイルそのものよりも、「今どれを見ればよいか」を伝えるためのやり取りが増えてきたら、ファイルの置き場所を分けるタイミングです。
課題管理とファイル共有の役割を分ける
複数稿のデザイン確認では、Tasselには進行や判断に必要な情報を残し、Dropboxには実際の制作ファイルをまとめます。
| Tasselで管理する | Dropboxで管理する |
|---|---|
| 確認してほしい内容 | 確認する制作ファイル |
| 修正指示・フィードバック | 初稿・2校・3校などの各稿 |
| 希望回答日・期限 | PSD・AIなどの制作データ |
| 決定事項・修正履歴 | FIX・納品データ |
| 次に進める作業 | 過去稿や比較用ファイル |
こうすると、Tasselの課題を開けば「何を決めるか」「誰の返答を待っているか」「次に何をするか」が分かります。実際のファイルは共有フォルダで一覧できるため、課題のコメント欄をさかのぼって最新版を探す必要がありません。
Tasselのスレッドは、すべての制作ファイルを保管する場所ではなく、案件で何が決まり、次に何をするのかを追うための履歴として保ちやすくなります。
初稿は共有フォルダへのリンクで渡す
Dropboxでは、フォルダ単位またはファイル単位で共有リンクを作成できます。バナー5点のように複数ファイルを確認してもらう場合は、案件ごとの共有フォルダを作り、そのリンクをTasselの課題へ載せます。
課題には、単にリンクだけを置くのではなく、確認してほしい内容も一緒に残します。
確認対象:秋キャンペーン用バナー5点(初稿)
確認してほしいこと:訴求文、使用写真、価格表記
共有フォルダ:Dropboxの共有リンク
希望回答日:10月3日
回答後の作業:ご指摘を反映し、修正版を共有する
確認相手は、Tasselで判断の内容を確認し、共有フォルダでファイルを見ます。どちらか片方だけではなく、役割を分けて併用する形です。
共有する前には、閲覧権限とリンク先が正しいかを確認します。関係者以外に見せられない素材が含まれる場合は、リンクの公開範囲にも注意が必要です。
修正版は同じ共有先で更新する
共有フォルダを使う大きな利点は、最初に渡した確認先を変えずに、ファイルを更新できることです。
制作側では、Dropboxの同期フォルダをFinderなどから開き、修正したバナーを書き出して保存します。共有フォルダ内のファイルを更新すれば、クライアントは最初に受け取ったリンクから最新版を確認できます。
Tassel側では、新しいファイルを毎回添付し直す必要はありません。
課題のコメントには、次のような要点だけを残します。
- 修正した日
- 反映した指摘
- 今回、確認してほしい項目
- 次の希望回答日
たとえば、「9月28日にご指摘の価格表記と写真を修正しました。共有フォルダの2校をご確認ください」のように伝えます。
修正版のファイルを毎回あらためて添付・再送するより、確認する側の導線を保ちやすくなります。
送信後に軽微な調整漏れへ気付いた場合も、確認前であれば共有先のファイルを更新しやすくなります。必要に応じて、Tasselのコメントへ修正したことを残します。余白を数ピクセル調整したい、文字位置を少し直したい、書き出した画像を差し替えたい、といった小さな修正のたびに、ファイルを再添付して送り直す必要がありません。
ただし、相手がすでに確認した内容や、判断に影響する変更を黙って差し替えるべきではありません。変更を共有する必要がある場合は、Tasselのコメントへ修正したことを残します。
初稿・2校・3校を分けて見失わないようにする
同じファイルを常に上書きするだけでは、変更の経緯を比較しにくくなることがあります。確認が複数回にわたる案件では、共有フォルダ内で稿を分けると、クライアント側も制作側も見返しやすくなります。
たとえば、次のような構成です。
秋キャンペーンバナー
├── 01_初稿
├── 02_2校
├── 03_3校
└── 04_FIX・納品
親フォルダを共有しておけば、URLを変えずに各稿を追加できます。
ファイル名にも日付や稿を含めると、ダウンロードした後も区別しやすくなります。
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すべての案件で厳密なルールを作る必要はありません。修正が1回だけの小さな案件なら、初稿とFIXだけでも十分です。
最新版だけを置く方が分かりやすい案件もあれば、各稿を残した方が変更を追いやすい案件もあります。制作物の点数や確認回数に合わせて、必要なときだけ分けます。
ファイルを外部へ置いても、判断の経緯は課題に残す
Dropboxを使っても、修正指示や決定事項まで共有フォルダだけで管理するわけではありません。
ファイルの更新だけを見ても、なぜ変更したのか、誰が判断したのか、次に何をするのかは分からなくなるためです。
クライアントから回答があったら、Tasselのコメントへ要点を残します。
- 回答を受けた日と回答者
- 採用する案、または修正する箇所
- 今回の範囲内で対応するか
- 再確認が必要か
- 次に進める作業
当初の範囲を超える追加依頼であれば、元の確認課題には混ぜず、別課題として登録します。制作ファイルの置き場所と、作業の範囲・期限・判断履歴は、別のものとして扱う方が予定を見失いにくくなります。
確認依頼の内容や、差し戻し・追加依頼の整理方法は、Web制作の修正依頼を漏らさない管理方法と、クライアントから追加依頼が来たときのタスク整理方法で詳しく紹介しています。
FIX後は同じ共有先から納品する
確認と修正が終わったら、共有フォルダ内にFIX・納品用のデータを用意します。
確認用のPNGやJPGだけでなく、案件に応じて必要な制作データもまとめておけば、クライアントは同じ共有先からダウンロードできます。
確認のために使っていたファイルを、納品時だけ別のファイル転送サービスへアップロードし直したり、メールへ添付し直したりする必要がありません。
初稿の確認から修正、FIX、納品まで一つの共有先を使うことで、制作側だけでなく、クライアント側でも「どこにファイルがあるか」を把握しやすくなります。
直接添付と外部ストレージを使い分ける
どちらか一方へ統一する必要はありません。
判断に必要な画像を1枚添える、簡単な資料を残す、といった場合は、Tasselへ直接添付する方が早いこともあります。
一方で、次のような場合は、Dropboxなどの共有ストレージを使う方が管理しやすくなります。
- バナーや画像が複数ある
- 初稿から複数回の修正を予定している
- 制作データも確認・納品する
- クライアント社内で複数人が確認する
- ファイルを後からまとめて探したり、納品に使ったりする
ファイル管理のために手順を増やしすぎる必要はありません。
直接添付で十分なうちはそのまま使い、ファイルを更新しながら共有する方が楽になったときだけ、外部ストレージを組み合わせるくらいで十分です。
小さな手間を減らすと、複数案件で効いてくる
バナー1点を一度だけ確認する案件なら、ファイルを添付し直す手間はそれほど大きくありません。
しかし、複数の案件で、複数の制作物を、何度も修正していると、この小さな作業が積み重なります。
- ファイルを書き出す
- ZIPにまとめる
- 添付する
- 新しい確認先を伝える
- クライアントが最新版を探す
- 社内確認用にもう一度共有する
一つひとつは数十秒から数分の作業です。
それでも、日々いくつものタスクを並行して進めていると、この差が少しずつ効いてきます。
最初に一つの共有先を作り、Tasselには確認内容と進行だけを残すようにすると、修正のたびに同じ作業を繰り返す必要がありません。制作側の手間だけでなく、クライアント側が確認先を探したり、社内へ共有し直したりする手間も減らせます。
特別な仕組みを作る必要はありません。すでに使っているDropboxのようなファイル共有サービスを、必要な場面だけTasselと組み合わせるだけでも、日々の確認作業を少し軽くできます。
小規模チームで続けやすい運用
デザイン確認を始めるときは、次の流れにするとシンプルです。
- Tasselに確認用の課題を作成する
- 確認対象・判断項目・希望回答日を課題へ書く
- 制作ファイルを共有フォルダへ置き、リンクを課題に載せる
- フィードバックや決定事項は課題のコメントに残す
- 修正版は共有フォルダの該当する稿へ追加・更新する
- FIX後は納品用データを共有フォルダへ置き、課題を完了する
すべての案件でこの運用にそろえる必要はありません。
少ないファイルならTasselへ直接添付し、制作物や修正回数が増えてきたときだけ共有フォルダを使います。案件に合わせて使い分ける方が、ルールを増やしすぎず続けやすくなります。
まとめ
Tasselの添付機能は、少ないファイルを課題と一緒に残したいときに便利です。
ただし、複数のデザインやバナーを何度も修正する案件では、ファイルを直接添付し続けると、最新の稿や確認の流れを追いにくくなることがあります。
そのような場合は、Tasselには確認内容、希望回答日、決定事項、次の作業を残し、Dropboxなどには制作ファイルをまとめます。
同じ共有先でファイルを更新し、必要に応じて初稿・2校・3校・FIXを分ければ、修正のたびにファイルを再添付したり、クライアントが最新版を探したりする手間を減らせます。
直接添付をやめることが目的ではありません。すべてを一つのツールへ押し込むのでもなく、案件の規模や修正回数に合わせて役割を分けることで、課題のスレッドを、判断と進行の履歴として分かりやすく保てます。