この記事で分かること
- 追加依頼を、元の課題に混ぜるか別課題に分けるかの判断基準
- Web制作の具体例から見る、追加依頼の整理方法
- 親課題・子課題を使って、複数の追加作業を並行して進める方法
Web制作を進めていると、当初の予定にはなかった依頼が途中で追加されることがあります。「このセクションも追加したい」「導線バナーも作ってほしい」「問い合わせフォームも付けたい」といった依頼です。
追加依頼が来たとき、すべてを元の課題へ追記して進めると、やり取りやスケジュールが混ざり、何をどこまで対応するのか分かりにくくなることがあります。一方で、少し内容が増えただけで毎回新しい課題を作ると、今度は課題そのものが増えすぎて管理しにくくなります。
大切なのは、追加依頼を何でも分けることではなく、同じ課題で進める方が分かりやすいか、別課題に分ける方が進めやすいかを判断することです。
この記事では、「新商品のページ制作」を例に、追加依頼が来たときの整理方法を紹介します。
まずは、追加依頼の内容と影響を確認する
追加依頼が来たら、すぐに課題の構成を変える前に、まずクライアントと内容を確認します。
たとえば、次のような点です。
- 何を追加したいのか
- 現在の公開スケジュールの中で、どこまでの対応を希望しているのか
- 追加対応によって、既存の作業や確認日程に影響が出るか
- 見積もりや契約範囲の調整が必要か
- 担当者や確認する人が変わるか
追加依頼は、作業そのものだけではなく、スケジュールや見積もり、確認フローにも影響することがあります。できるだけクライアントの希望に寄り添いつつ、無理のない範囲で進め方を組み立てます。
「新商品のページ制作」に追加依頼が来た場合
例として、新商品の紹介ページを制作している途中で、次の3つの依頼が追加されたとします。
- ページ内に「よくあるご質問」セクションを追加したい
- このページへの導線バナーを5点作成したい
- 問い合わせフォームを設置したい
どれも当初の予定にはなかった追加や仕様変更です。ただし、同じ「追加依頼」でも、元の課題にそのまま含める方がよいものと、別課題に分けた方がよいものがあります。
1. FAQの追加なら、同じ課題で進めてもよい
「よくあるご質問」セクションを1つ追加する程度であれば、元のページ制作の延長として扱える場合があります。
たとえば、同じ担当者が同じ公開日までに対応でき、デザインやコーディングの流れも大きく変わらないのであれば、元の課題の詳細やコメントへ追加内容を反映して進めても問題ありません。この規模の変更まで毎回新しい課題にすると、かえって課題が増え、状況を追うための手間が大きくなることがあります。
追加内容が決まったら、コメントだけでなく詳細欄にも現在の仕様を反映しておくと分かりやすくなります。 詳細欄の整理方法は、担当者が迷わず着手できる課題の作り方でも紹介しています。
2. バナー5点の制作は、別課題に分けた方が進めやすい
一方で、導線バナーを5点追加する場合は、ページ制作とは別課題に分けた方が整理しやすいケースが多いです。
バナー制作には、次のような独立した工程が発生します。
- サイズや掲載場所の確認
- 構成やコピーの確認
- 初稿制作
- フィードバック
- 修正
- 納品
ページ制作の進行とバナー制作のやり取りを同じ課題へ混ぜると、コメントや確認事項が増え、どの話をしているのか分かりにくくなります。また、バナー制作だけクライアント側の担当者や社内の確認者が別になるケースもあります。
このように、担当者・スケジュール・確認フローが独立する作業は、別課題にした方が進行を分けやすくなります。
3. 問い合わせフォームは、規模によって判断が分かれる
問い合わせフォームの追加は、内容によって判断が変わります。
たとえば、ページ下部に次のような簡易的なフォームを設置するだけであれば、ページ制作の一部として同じ課題で進める方法もあります。
- 名前
- メールアドレス
- 問い合わせ内容
一方で、入力項目が多い、確認画面や完了画面がある、別ページとして設計する、通知条件が複雑といった場合は、別課題に分けた方が整理しやすくなります。
要件確認、実装、テストなど独立した工程が増えるためです。
つまり、フォームだから分ける、分けないと決めるのではなく、その追加作業が元のページ制作と同じ流れの中で完了できるかで判断します。
分けるか迷ったときは「進行上の独立性」で考える
追加依頼を別課題にするか迷ったときは、作業量だけではなく、次の点を確認します。
- 担当者が変わるか
- スケジュールが分かれるか
- 見積もりを分ける必要があるか
- クライアント側の確認者が変わるか
- 別の資料や素材が必要になるか
- 独立した確認・修正・納品の工程があるか
- 元の課題のやり取りを圧迫しないか
これらが元の作業とは別に動くのであれば、別課題にする価値があります。反対に、同じ担当者・同じ納期・同じ確認フローの中で自然に完了できるのであれば、無理に分ける必要はありません。
課題を分けること自体を目的にしない
タスク管理ツールをきれいに使うことは大切ですが、課題を整理すること自体が目的になると、本来の仕事が進みにくくなります。
たとえば納期が迫っている場面では、課題を分けるための整理や説明に時間を使うより、多少やり取りが増えてもそのまま同じ課題で進めた方が早いこともあります。また、課題を細かく分けることを好まないクライアントやメンバーもいます。
管理しやすさと、進行しやすさは必ずしも同じではありません。
Tasselの形に仕事を合わせるのではなく、クライアントやチームの進め方に合わせて、必要なところだけ整理します。
複数の作業に分かれるなら、親課題でまとめる
追加依頼が増え、複数の作業を並行して進める場合は、親課題・子課題を使う方法があります。たとえば、「新商品のページ制作」を親課題にして、次のように子課題へ分けます。
- デザイン制作
- コーディング
- バナー制作
- 問い合わせフォーム
こうすると、それぞれの作業を別々に進めながら、案件全体としては1つのまとまりで確認できます。個別の制作内容や修正は子課題で進め、全体の仕様変更、公開スケジュール、見積もりなどのやり取りは親課題へまとめると、役割を分けやすくなります。親課題を案件全体の統括場所として使い、子課題を個別の進行単位として使うイメージです。
必要に応じてマイルストーンも設定すると、複数の課題が同じ公開日に向かって進んでいることを確認しやすくなります。
ガントチャートで、追加作業の影響を見る
追加依頼によって作業期間が増える場合は、ガントチャートで既存の予定との重なりを確認します。たとえば、ページ制作とバナー制作を別課題にしておけば、それぞれの開始日と期限日を設定できます。
ページ制作・バナー制作・追加作業を並べると、公開日までの予定や作業の重なりを確認しやすくなります。
同じ担当者の作業が重なっていないか、公開日までに確認期間を確保できるか、追加作業によって後続作業が遅れないかを確認しやすくなります。親課題・子課題で整理している場合も、進行担当者は案件全体の状況を把握しやすくなります。
まとめ
クライアントから追加依頼が来たとき、すべてを元の課題へ混ぜると、やり取りやスケジュールが煩雑になることがあります。一方で、軽微な追加まで毎回別課題にすると、管理する課題が増えすぎます。
大切なのは、追加作業が元の課題と同じ流れで完了できるか、それとも担当者・スケジュール・確認フローなどが独立するかを見て判断することです。
同じ流れで進められるなら元の課題へ含め、独立した工程になるなら別課題へ分けます。複数の作業を並行して進める場合は、親課題・子課題やマイルストーンを使って全体をまとめる方法もあります。
ただし、課題をきれいに整理すること自体を目的にする必要はありません。クライアントの希望や納期、チームの進め方に合わせながら、仕事が最も進めやすい形を選ぶことが大切です。
複数案件をまたいで担当者や期限の重なりを確認する場合は、Web制作で複数案件を同時進行するときのタスク管理方法も参考にしてください。